• 2026年6月1日

男性更年期・LOH症候群とは?疲れ・性欲低下・やる気低下を泌尿器科専門医が解説

「最近、疲れが抜けない」
「やる気が出ない」
「性欲が落ちた」
「朝立ちが減った」
「筋力が落ちた気がする」
「気分が沈みやすい」
「年齢のせいなのか、病気なのか分からない」

40代以降の男性で、このような症状に悩む方は少なくありません。

その背景に、男性更年期、医学的にはLOH症候群が関係していることがあります。

LOH症候群とは、加齢などに伴って男性ホルモンであるテストステロンが低下し、身体面・精神面・性機能面にさまざまな症状が出る状態です。

ただし、疲れややる気の低下があるからといって、すぐに男性更年期と決まるわけではありません。

睡眠不足、ストレス、うつ状態、糖尿病、高血圧、肥満、睡眠時無呼吸症候群、甲状腺疾患、薬の影響など、ほかの原因が隠れていることもあります。

この記事では、男性更年期・LOH症候群の症状、検査、治療の考え方について、泌尿器科専門医の立場から分かりやすく解説します。

男性更年期・LOH症候群とは

男性更年期とは、加齢に伴って男性ホルモンが低下し、体や心、性機能に不調が出る状態を指します。

医学的には、LOH症候群と呼ばれます。

LOHは、Late-onset hypogonadismの略で、加齢男性性腺機能低下症候群と訳されます。

男性ホルモンの代表がテストステロンです。

テストステロンは、性機能だけでなく、

・筋肉量
・骨密度
・意欲
・集中力
・気分
・脂肪のつき方
・血管や代謝
・睡眠
・性欲や勃起機能

などにも関係しています。

そのため、テストステロンが低下すると、単に性欲が落ちるだけでなく、全身の不調として現れることがあります。

男性更年期の主な症状

男性更年期・LOH症候群では、症状が一つだけではなく、複数重なって出ることがあります。

代表的な症状は以下です。

身体的な症状

・疲れやすい
・体力が落ちた
・筋力が低下した
・太りやすくなった
・お腹まわりが気になる
・汗をかきやすい
・ほてりがある
・眠りが浅い
・朝起きても疲れが残る
・関節痛や筋肉痛が気になる

精神的な症状

・やる気が出ない
・気分が沈む
・イライラしやすい
・集中力が落ちた
・仕事のパフォーマンスが落ちた
・不安感がある
・以前より前向きになれない

性機能に関する症状

・性欲が低下した
・朝立ちが減った
・勃起力が落ちた
・EDが気になる
・射精の勢いが落ちた
・性生活への関心が減った

これらの症状は、年齢のせいと思われがちです。

しかし、症状が続く場合には、テストステロン低下や生活習慣病、睡眠障害などが関係していないか確認する価値があります。

何歳くらいから起こる?

男性更年期は、40代以降に相談が増えます。

ただし、何歳から必ず起こるというものではありません。

同じ年齢でも、テストステロン値や症状には個人差があります。

40代、50代で強い症状が出る方もいれば、60代以降でも大きな不調を感じない方もいます。

また、加齢だけでなく、

・肥満
・糖尿病
・高血圧
・脂質異常症
・睡眠不足
・過度なストレス
・運動不足
・過度な飲酒
・喫煙
・慢性疾患
・薬剤の影響

などが関係することもあります。

男性更年期は「気のせい」ではありません

男性更年期の症状は、数値で分かりにくいことがあります。

そのため、

「年齢のせい」
「気合いが足りない」
「ストレスのせい」
「ただ疲れているだけ」

と片づけられてしまうこともあります。

しかし、テストステロンの低下や生活習慣病、睡眠障害などが背景にある場合には、医学的に評価することができます。

一方で、症状だけで男性更年期と決めつけるのもよくありません。

大切なのは、症状と血液検査、生活習慣、持病、内服薬などを総合的に確認することです。

男性更年期の検査

男性更年期・LOH症候群が疑われる場合、まず問診と血液検査を行います。

問診

以下のような点を確認します。

・いつから症状があるか
・疲労感や意欲低下の程度
・性欲や勃起機能の変化
・睡眠の状態
・仕事や家庭でのストレス
・運動習慣
・体重変化
・持病
・内服薬
・喫煙や飲酒
・妊活中かどうか

男性更年期は、体・心・性機能が重なって出ることがあるため、問診が非常に重要です。

血液検査

血液検査では、男性ホルモンの状態を確認します。

主に確認する項目は、

・総テストステロン
・遊離テストステロン
・LH
・FSH
・プロラクチン
・必要に応じてSHBG

などです。

テストステロンは日内変動があり、朝に高く、夕方に低くなる傾向があります。

そのため、男性ホルモンを評価する場合には、朝の時間帯に採血することが望ましいとされています。

また、1回だけの数値で判断せず、必要に応じて再検査を行います。

生活習慣病の評価も重要です

男性更年期の症状がある方では、生活習慣病が隠れていることがあります。

必要に応じて、

・血糖値
・HbA1c
・脂質
・肝機能
・腎機能
・尿酸
・血圧
・体重
・腹囲

なども確認します。

糖尿病、肥満、脂質異常症、睡眠時無呼吸症候群などは、EDや男性ホルモン低下、疲労感と関係することがあります。

「男性更年期かもしれない」と思って受診したところ、生活習慣病が見つかることもあります。

EDとの関係

男性更年期とEDは密接に関係します。

テストステロン低下は、性欲低下、朝立ちの減少、勃起力低下に関係することがあります。

一方で、EDは男性ホルモンだけで起こるわけではありません。

EDの背景には、

・糖尿病
・高血圧
・脂質異常症
・動脈硬化
・肥満
・喫煙
・睡眠不足
・ストレス
・薬剤
・男性ホルモン低下

などが関係することがあります。

EDは、血管の健康状態を反映するサインになることもあります。

そのため、EDがある場合には、単にED治療薬を出すだけでなく、生活習慣病や男性ホルモンの状態も確認することが大切です。

男性不妊との関係

男性更年期・LOH症候群と男性不妊は、関連することがあります。

テストステロンは男性機能に重要ですが、外からテストステロンを補充すると、精子を作る働きが低下することがあります。

妊活中の男性では特に注意が必要です。

「男性ホルモンが低いから、すぐにテストステロン補充をする」という考え方は、妊活中の方には適さない場合があります。

妊活中の場合には、

・精液検査
・ホルモン採血
・精巣の評価
・精索静脈瘤の有無
・生活習慣の確認

を行い、将来の妊娠希望を踏まえて治療方針を考える必要があります。

妊活中の方は、自己判断で男性ホルモン補充を受ける前に、泌尿器科専門医・生殖医療専門医へ相談することをおすすめします。

男性更年期の治療

男性更年期の治療は、症状、テストステロン値、年齢、持病、妊娠希望の有無によって変わります。

生活習慣の改善

まず重要なのは、生活習慣の見直しです。

・適度な運動
・筋力トレーニング
・体重管理
・睡眠の改善
・過度な飲酒を控える
・禁煙
・ストレス対策
・生活習慣病の治療

これらは、男性ホルモン、ED、疲労感、睡眠、メンタル面に関係します。

特に肥満、糖尿病、睡眠不足がある方では、生活習慣を整えることが大切です。

ED治療薬

EDがある場合には、ED治療薬を使用することがあります。

性機能の改善は、自信や生活の質にも関係します。

ただし、ED治療薬だけで終わらせず、背景にある生活習慣病や男性ホルモン低下を確認することも大切です。

漢方薬・補助的治療

症状や体質によっては、漢方薬などを検討することもあります。

疲労感、冷え、睡眠、気分の不調などがある場合には、全身状態を見ながら治療を考えます。

テストステロン補充療法

症状があり、血液検査で男性ホルモン低下が確認される場合には、テストステロン補充療法を検討することがあります。

ただし、すべての方に適しているわけではありません。

治療前には、

・前立腺の評価
・PSA
・血液検査
・睡眠時無呼吸の有無
・多血症のリスク
・心血管リスク
・妊娠希望の有無

などを確認する必要があります。

特に妊活中の方では、テストステロン補充が精子形成に影響する可能性があるため、慎重に判断します。

このような方はご相談ください

以下のような方は、男性更年期・LOH症候群の評価を検討してもよいでしょう。

・40代以降で疲れが抜けない
・やる気が出ない
・気分が沈みやすい
・性欲が低下した
・朝立ちが減った
・EDが気になる
・筋力低下や体力低下を感じる
・太りやすくなった
・睡眠の質が悪い
・糖尿病、高血圧、脂質異常症がある
・男性ホルモン値を確認したい
・妊活中で男性ホルモン治療を受けてよいか迷っている

当院での対応

当院では、男性更年期・LOH症候群が気になる方に対して、問診、ホルモン採血、生活習慣病の評価、EDの相談などを行っています。

必要に応じて、

・総テストステロン
・遊離テストステロン
・LH
・FSH
・プロラクチン
・血糖、HbA1c
・脂質
・肝機能、腎機能
・PSA
・尿検査

などを確認します。

また、当院は泌尿器科専門医・生殖医療専門医が診療しているため、男性更年期だけでなく、ED、男性不妊、精液検査、精索静脈瘤、前立腺疾患なども含めて総合的に相談できます。

流山おおたかの森、野田、柏、松戸、守谷、三郷、八潮周辺で、男性更年期、疲労感、性欲低下、ED、男性ホルモン低下が気になる方はご相談ください。

まとめ

男性更年期・LOH症候群は、加齢に伴う男性ホルモン低下によって、疲労感、やる気低下、性欲低下、ED、気分の落ち込みなどが出る状態です。

ただし、同じような症状は、睡眠不足、ストレス、うつ状態、糖尿病、肥満、睡眠時無呼吸症候群、薬剤などでも起こります。

そのため、症状だけで判断せず、問診、ホルモン採血、生活習慣病の評価を組み合わせて確認することが大切です。

男性更年期が気になる方は、一人で悩まず、泌尿器科でご相談ください。


解説

安東 聡
リプロケアクリニックおおたかの森 院長
泌尿器科専門医・生殖医療専門医

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