- 2026年5月12日
- 2026年5月13日
精索静脈瘤の手術は受けるべき?適応・効果・日帰り手術について泌尿器科専門医・生殖医療専門医が解説
精索静脈瘤を指摘された方の中には、
「手術を受けた方がよいのか」
「様子を見てもよいのか」
「手術でどのような効果が期待できるのか」
と悩まれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
精索静脈瘤は、男性不妊の原因として重要な疾患の一つです。
一方で、精索静脈瘤があるからといって、すべての方に手術が必要というわけではありません。
この記事では、精索静脈瘤の手術を検討する目安、期待できる効果、日帰り手術について、泌尿器科専門医の立場から分かりやすく解説します。
■ 精索静脈瘤とは
精索静脈瘤とは、陰嚢内の静脈が拡張し、血流がうっ滞する状態です。
静脈の血流が逆流することで、精巣周囲の温度上昇や酸化ストレスが起こり、精子の数や動き、質に影響することがあります。
自覚症状がほとんどない方も多く、男性不妊の検査で初めて見つかることもあります。
■ 精索静脈瘤があれば必ず手術が必要?
精索静脈瘤があるからといって、すべての方に手術が必要なわけではありません。
大切なのは、
・妊娠を希望しているか
・精液検査に異常があるか
・触診やエコーで臨床的に意味のある精索静脈瘤か
・痛みや違和感があるか
・精巣サイズへの影響があるか
・女性側の状況や妊活期間
などを総合的に判断することです。
つまり、精索静脈瘤の手術は、単に「あるかないか」ではなく、その方にとって治療する意味があるかを考えて判断します。
■ 手術を検討する主なケース
精索静脈瘤の手術を検討する代表的なケースには、以下があります。
妊娠を希望していて、精液検査に異常がある場合
妊活中で、精液検査で精子の数や運動率などに異常があり、精索静脈瘤が確認される場合には、手術を検討することがあります。
特に、触診でも分かる精索静脈瘤があり、精液所見に異常がある場合は、手術による改善が期待できる可能性があります。
精索静脈瘤による痛みや違和感がある場合
精索静脈瘤では、陰嚢の重だるさや痛み、違和感を感じる方もいます。
長時間立っているとつらい、運動後に違和感がある、夕方になると陰嚢が重い感じがする、という場合には、症状の原因として精索静脈瘤が関係していることがあります。
症状が強い場合や生活に支障がある場合には、手術を検討することがあります。
精巣サイズへの影響が疑われる場合
若年男性では、精索静脈瘤により精巣の発育やサイズに影響することがあります。
左右差がある場合や、精巣サイズの低下が疑われる場合には、慎重に評価します。
二人目不妊で男性側の要因が疑われる場合
一人目は自然に授かったものの、二人目がなかなかできないという方でも、精索静脈瘤が関係していることがあります。
精索静脈瘤の影響は時間とともに強くなる可能性があり、以前は問題にならなかったものが、後から精液所見に影響してくることもあります。
■ 手術を急がなくてもよいケース
一方で、すぐに手術を勧めないケースもあります。
例えば、
・精液検査が正常である
・妊娠を希望していない
・画像検査だけで見つかった軽度の精索静脈瘤
・自覚症状がない
・他に優先すべき原因がある
などです。
このような場合には、経過観察や定期的な検査で十分なこともあります。
大切なのは、手術をするかどうかを一律に決めるのではなく、精液検査、エコー、採血、妊活状況を含めて総合的に判断することです。
■ 手術で期待できること
精索静脈瘤手術では、逆流している静脈を処理することで、精巣周囲の環境を改善することを目指します。
期待される効果としては、
・精子濃度の改善
・運動率の改善
・精子の質の改善
・陰嚢痛や違和感の改善
・妊活における選択肢の拡大
などがあります。
ただし、手術をすれば必ず妊娠する、必ず精液所見が正常化する、というものではありません。
精索静脈瘤手術は、男性側の状態を改善するための選択肢の一つであり、女性側の状況や妊活全体の方針と合わせて考える必要があります。
■ 手術後、どれくらいで変化が出る?
精子が作られるには一定の時間がかかります。
そのため、精索静脈瘤手術後の精液所見は、すぐに変わるわけではありません。
一般的には、手術後3か月を目安に精液検査で変化を確認していきます。
必要に応じて、6か月、12か月と経過を見ながら評価します。
■ 当院での日帰り手術について
当院では、精索静脈瘤に対する日帰り手術に対応しています。
手術では、精索静脈瘤の原因となる静脈を確認し、必要な血管を処理します。
精巣動脈やリンパ管をできるだけ温存することが重要です。
当院では、精液検査、精巣・陰嚢エコー、ホルモン採血などを組み合わせて評価し、手術が必要かどうかを判断します。
精索静脈瘤があるからすぐに手術、というわけではなく、現在の状態と妊活状況を確認したうえで、治療方針をご提案します。
■ 受診の目安
以下のような方は、一度ご相談ください。
・精索静脈瘤を指摘された
・精液検査で異常を指摘された
・妊活を始めて時間が経っている
・一人目はできたが二人目がなかなかできない
・陰嚢の痛みや重だるさがある
・精索静脈瘤の手術を受けるべきか迷っている
・他院で手術を勧められたが、もう一度相談したい
男性不妊では、早めに状態を確認することで、その後の選択肢が広がることがあります。
■ まとめ
精索静脈瘤は、男性不妊の原因として重要な疾患です。
ただし、精索静脈瘤があるからといって、すべての方に手術が必要なわけではありません。
妊娠を希望しているか、精液検査に異常があるか、症状があるか、精索静脈瘤の程度はどうかなどを総合的に判断することが大切です。
精索静脈瘤の手術は、状態によっては精液所見や症状の改善が期待できる選択肢です。
流山市・おおたかの森周辺で、精索静脈瘤や男性不妊についてお悩みの方は、一度ご相談ください。