- 2026年5月28日
- 2026年7月1日
PSA高値を指摘された方へ|健康診断でPSAが高いと言われたら
健康診断でPSA高値と言われても、すぐに前立腺がんとは限りません
健康診断や人間ドックで「PSAが高い」と指摘され、不安になっていませんか。
PSA(前立腺特異抗原)は前立腺から分泌されるタンパク質で、採血によって測定できる検査です。前立腺がんの早期発見に役立つ重要な検査ですが、PSA高値=前立腺がんではありません。
実際には、前立腺肥大症や前立腺炎など、がん以外の原因でPSAが高くなることも少なくありません。
一方で、早期の前立腺がんは自覚症状がほとんどないため、PSA高値をきっかけに発見されることがあります。
そのため、健康診断でPSA高値を指摘された場合は、放置せず一度泌尿器科で評価を受けることをおすすめします。
PSAとは?
PSA(Prostate Specific Antigen:前立腺特異抗原)は、前立腺で作られるタンパク質です。
通常も少量は血液中に存在していますが、前立腺に何らかの変化が起こると血液中のPSA値が上昇します。
採血だけで調べられるため、前立腺がん検診として広く利用されています。
PSAが高くなる原因
PSAが高くなる原因には、次のようなものがあります。
- 前立腺がん
- 前立腺肥大症
- 前立腺炎
- 尿路感染症
- 尿閉
- 加齢による変化
つまり、PSA高値だけで前立腺がんとは診断できません。
大切なのは、
- 年齢
- PSA値
- PSA値の推移
- 排尿症状
- 前立腺肥大症や前立腺炎の可能性
- 前立腺がんの家族歴
- 直腸診の所見
- 必要に応じたMRI検査
などを総合的に評価することです。
年齢別PSA基準値の目安
PSAは加齢とともに緩やかに高くなる傾向があります。
一般的な目安は次のとおりです。
| 年齢 | PSA基準値の目安 |
|---|---|
| 50〜64歳 | 3.0 ng/mL以下 |
| 65〜69歳 | 3.5 ng/mL以下 |
| 70歳以上 | 4.0 ng/mL以下 |
※基準値は施設や検査方法によって異なることがあります。
ただし、前立腺がんの可能性はPSA値だけで判断できるものではありません。
当院では、自治医科大学附属病院で泌尿器科准教授として前立腺がんをはじめとする泌尿器がん診療に携わってきた経験をもとに、PSA値だけではなく、次のような点を総合的に評価しています。
- 年齢
- PSA値の推移(以前よりどの程度上昇しているか)
- 排尿症状の有無
- 前立腺肥大症や前立腺炎の可能性
- 前立腺がんの家族歴
- 直腸診の所見
- 必要に応じた前立腺MRIの結果
これらを総合的に判断し、「経過観察でよいのか」「MRI検査を受けるべきか」「前立腺生検を検討すべきか」をご提案しています。
また、一度のPSA値だけではなく、**PSAがどのくらいの速度で上昇しているか(PSAの推移)**も重要な判断材料です。特に短期間でPSA値が上昇している場合には、前立腺がんの可能性も考慮し、より詳しい検査をおすすめすることがあります。
健康診断でPSA高値を指摘されたからといって、過度に心配する必要はありません。大切なのは、一人ひとりの状況に合わせて適切な検査と経過観察を行うことです。
健康診断でPSA高値を指摘されたら
健康診断でPSA高値を指摘された場合は、一度泌尿器科を受診しましょう。
当院では、
- これまでのPSA値の推移
- 排尿症状の有無
- 前立腺がんの家族歴
- 前立腺炎を疑う症状
- 内服薬
などを確認し、追加検査が必要かどうかを判断します。
必要に応じてPSAを再検査し、MRI検査が必要かどうかを判断します。
MRI検査は必要ですか?
近年では前立腺MRIが前立腺がん診断に欠かせない検査となっています。
MRIでは前立腺内にがんが疑われる部位がないかを詳しく評価できます。
すべての方にMRI検査が必要なわけではありません。
PSA値や年齢、PSAの推移、診察所見などを総合的に判断し、必要な方へご案内しています。
前立腺生検は必要ですか?
MRIで前立腺がんが疑われる場合や、PSA値などから前立腺がんの可能性が高いと判断した場合には、前立腺生検を検討します。
前立腺生検は、前立腺の組織を採取し、顕微鏡で前立腺がんの有無を調べる検査です。
当院では、生検が必要と判断した場合には、連携する専門医療機関をご紹介しています。
PSAは一時的に高くなることがありますか?
はい。
前立腺炎や尿路感染症、尿閉などでは一時的にPSAが上昇することがあります。
また、射精後や長時間の自転車乗車などの影響を受けることもあるため、状況によっては一定期間あけて再検査をご提案することがあります。
当院での診療
当院では、健康診断や人間ドックでPSA高値を指摘された方の診療を行っています。
泌尿器科専門医が診察を担当し、
- PSA値の評価
- 排尿症状の確認
- 前立腺肥大症との鑑別
- 前立腺炎の評価
- MRI検査が必要かどうかの判断
を行います。
MRI検査や前立腺生検が必要と判断した場合には、連携する医療機関をご紹介し、その後の治療や経過観察まで継続してサポートいたします。
院長からひとこと
健康診断でPSA高値を指摘されると、「前立腺がんではないか」と大きな不安を感じて受診される方が少なくありません。
私は自治医科大学附属病院で泌尿器科准教授として、前立腺がんをはじめとする泌尿器がん診療に長年携わってきました。現在も、健康診断でPSA高値を指摘された方や前立腺がんが疑われる方を数多く診療しています。
実際には、前立腺肥大症や前立腺炎などが原因でPSAが高くなっている方も多くいらっしゃいます。一方で、前立腺がんが隠れていることもあるため、必要な方にはMRI検査や前立腺生検をご案内しています。
大切なのは、PSAの数値だけで一喜一憂するのではなく、一人ひとりの状況に合わせて適切な検査を選択することです。不安なことがあれば、お気軽にご相談ください。
よくあるご質問
PSAが4.5でした。前立腺がんでしょうか?
必ずしも前立腺がんではありません。前立腺肥大症や前立腺炎でもPSAは高くなります。年齢やPSAの推移も含めて総合的に判断します。
前立腺肥大症でもPSAは高くなりますか?
はい。前立腺肥大症ではPSAが高くなることがあります。そのため、PSA高値だけでは前立腺がんとの区別はできません。
PSAは毎年受けた方がいいですか?
50歳以上の男性では、定期的なPSA測定が前立腺がんの早期発見につながります。ご家族に前立腺がんの方がいる場合は、より早い年齢から相談することをおすすめします。
MRIを受ければ前立腺生検は不要ですか?
MRIだけで前立腺がんを完全に否定できるわけではありません。MRIの結果とPSA値を合わせて、生検が必要かどうかを判断します。
このような方はご相談ください
- 健康診断でPSA高値を指摘された
- PSAが年々高くなっている
- 前立腺がんが心配
- MRIを受けるべきか相談したい
- 前立腺肥大症との違いを知りたい
- 一度専門医の意見を聞いてみたい
PSA高値を指摘されても、必要以上に心配する必要はありません。
まずは原因を確認し、ご自身に本当に必要な検査を見極めることが大切です。お気軽にご相談ください。
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健康診断で異常を指摘された方や、症状について相談したい方は、お気軽にご受診ください。
関連ページ
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▶ PSAがどれくらいなら前立腺生検が必要?
▶ 前立腺MRIを勧められた方へ
▶ PSA高値で経過観察と言われた方へ
監修・執筆
安東 聡
リプロケアクリニックおおたかの森 院長
日本泌尿器科学会認定 泌尿器科専門医・指導医
日本生殖医学会認定 生殖医療専門医
元 自治医科大学附属病院 泌尿器科 准教授
本記事は一般的な医学情報を分かりやすく解説したものです。症状や検査結果によって適切な対応は異なりますので、気になる症状がある方は泌尿器科へご相談ください。