- 2026年5月28日
PSA高値を指摘された方へ|前立腺がん検診後に泌尿器科で確認すること
健診や人間ドックで、
「PSAが高いと言われた」
「前立腺がんの可能性があると言われた」
「泌尿器科を受診してくださいと書かれていた」
「再検査が必要なのか分からない」
と不安になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
PSAは、前立腺の状態を確認するために使われる血液検査です。
PSA高値は前立腺がんの発見につながることがありますが、PSAが高いからといって、すぐに前立腺がんと決まるわけではありません。
前立腺肥大症、前立腺炎、尿路感染、射精、排尿トラブル、検査前の刺激などでもPSAが上がることがあります。
この記事では、PSA高値を指摘された方に向けて、PSAとは何か、どのような原因で上がるのか、泌尿器科で何を確認するのかについて、泌尿器科専門医が分かりやすく解説します。
■PSAとは
PSAとは、前立腺特異抗原のことです。
前立腺から分泌されるタンパク質の一種で、血液検査で測定できます。
PSAは前立腺がん検診で広く使われています。
PSAが高い場合、前立腺がんの可能性を考える必要がありますが、PSAは前立腺がんだけで上がるわけではありません。
■PSA高値の原因
PSAが高くなる原因には、いくつかあります。
代表的なものは以下です。
前立腺がん
PSA高値で最も注意したいのは前立腺がんです。
前立腺がんは、早期には自覚症状がほとんどないことも多く、PSA検査をきっかけに見つかることがあります。
そのため、健診でPSA高値を指摘された場合には、泌尿器科で確認することが大切です。
前立腺肥大症
前立腺肥大症でもPSAが上がることがあります。
前立腺が大きい方では、がんがなくてもPSAが高めに出ることがあります。
尿が出にくい、尿の勢いが弱い、夜間頻尿、残尿感などがある場合には、前立腺肥大症の評価も必要です。
前立腺炎・尿路感染
前立腺や尿路に炎症があると、PSAが上昇することがあります。
排尿時の痛み、頻尿、発熱、会陰部の違和感などがある場合には、感染や炎症が関係していることがあります。
この場合、感染や炎症の評価・治療を行ったうえで、PSAを再確認することがあります。
一時的な変動
PSAは一時的に変動することがあります。
たとえば、
・射精
・自転車などの刺激
・尿閉
・尿道カテーテル
・前立腺への刺激
・感染や炎症
などの影響で高くなることがあります。
そのため、PSAが一度高かったからといって、すぐに前立腺がんと決めつける必要はありません。
PSA高値を指摘されたら、まず何をする?
PSA高値を指摘された場合、まず大切なのは、泌尿器科で状況を整理することです。
海外の前立腺がん早期発見ガイドラインでは、新たにPSA高値を認めた場合、画像検査や生検などに進む前にPSAを再検することが推奨されています。PSAは一時的に上昇することがあり、再検で正常化する場合もあるためです。
泌尿器科では、
・PSA値の確認
・過去のPSA値との比較
・年齢
・家族歴
・排尿症状
・感染や炎症の有無
・前立腺の大きさ
・必要に応じた画像検査や専門医療機関への紹介
などを確認します。
■PSA値だけで判断しないことが大切です
PSAは重要な検査ですが、PSA値だけで前立腺がんの有無を判断することはできません。
同じPSA値でも、
・年齢
・前立腺の大きさ
・PSAの推移
・家族歴
・MRI所見
・直腸診所見
・炎症の有無
によって、考え方は変わります。
ガイドラインでも、前立腺がん評価では臨床的に重要な前立腺がんを見つけることが重視されており、PSAだけでなく、必要に応じてMRI、バイオマーカー、生検などを組み合わせて評価する方針が示されています。
■泌尿器科で行う検査
PSA高値で受診した場合、状況に応じて以下のような確認を行います。
問診
PSAを測った理由、健診結果、過去のPSA値、排尿症状、発熱や痛み、家族歴などを確認します。
前立腺がんの家族歴がある場合には、リスク評価のうえで重要です。
尿検査
前立腺炎や尿路感染症が隠れていないか確認します。
感染や炎症がある場合には、PSAが一時的に高くなることがあります。
超音波検査
前立腺の大きさ、残尿量、膀胱や腎臓の状態などを確認します。
前立腺が大きい場合には、PSAが高めになることがあります。
PSA再検査
PSAが一時的に上昇している可能性がある場合には、一定期間をあけて再検査することがあります。
MRI・前立腺生検
PSAの値や推移、年齢、リスクなどから前立腺がんが疑われる場合には、MRIや前立腺生検が必要になることがあります。
当院で初期評価を行い、必要に応じて連携医療機関へ紹介します。
■このような方はご相談ください
以下のような方は、泌尿器科での評価をおすすめします。
・健診でPSA高値を指摘された
・人間ドックで前立腺がん検診異常と言われた
・PSAが以前より上がってきている
・前立腺がんの家族歴がある
・尿が出にくい
・尿の勢いが弱い
・夜間頻尿がある
・残尿感がある
・排尿時の痛みや発熱がある
・PSA再検査をどこで受けるべきか迷っている
■当院での対応
当院では、PSA高値を指摘された方に対して、問診、尿検査、超音波検査、PSA再検査などを行い、前立腺の状態を確認します。
必要に応じて、MRI検査や前立腺生検が可能な専門医療機関と連携します。
院長は大学病院本院で泌尿器科准教授として診療・教育・研究に携わり、前立腺がん診療やロボット支援手術にも関わってきました。
当院は男性不妊・メンズヘルスだけでなく、PSA高値、前立腺肥大症、血尿、膀胱炎、頻尿、尿路結石など、一般泌尿器科疾患にも対応しています。
流山おおたかの森周辺で、健診のPSA高値や前立腺の不安がある方はご相談ください。
■まとめ
PSA高値を指摘されると、前立腺がんではないかと不安になる方が多いです。
しかし、PSAは前立腺がんだけでなく、前立腺肥大症、前立腺炎、尿路感染、一時的な刺激などでも上がることがあります。
大切なのは、PSA値だけで自己判断せず、泌尿器科で状況を整理することです。
健診や人間ドックでPSA高値を指摘された方は、一度ご相談ください。
参考文献・参考資料
・AUA/SUO Guideline: Early Detection of Prostate Cancer
・AUA/SUO Guideline Part II: Considerations for Prostate Biopsy
・EAU Guidelines on Prostate Cancer
解説:安東 聡
リプロケアクリニックおおたかの森 院長
泌尿器科専門医・生殖医療専門医