- 2026年6月2日
精巣のしこり・腫れを放置しないでください|恥ずかしさで受診が遅れる前に泌尿器科へ
「精巣が少し大きくなった気がする」
「陰嚢の中にしこりを触れる」
「痛みはないけれど、左右差が気になる」
「恥ずかしくて病院に行きにくい」
「そのうち治ると思って様子を見ている」
このような症状がある方は、自己判断で放置せず、泌尿器科で確認してください。
精巣や陰嚢の症状は、相談しにくいものです。
恥ずかしさや不安から、受診を先延ばしにしてしまう方も少なくありません。
しかし、精巣のしこりや腫れの中には、早めに診断すべき病気が隠れていることがあります。
私は研修医の頃から、転移を有する精巣腫瘍の患者さんを多く診察し、治療に携わってきました。
その中で、患者さんから何度も聞いた言葉があります。
「恥ずかしくて病院に行けませんでした」
「痛みがなかったので、大丈夫だと思っていました」
「もっと早く受診していればよかった」
精巣腫瘍は、早い段階で見つかれば治療方針を立てやすい病気です。
一方で、受診が遅れて進行した状態で見つかると、手術だけでなく、化学療法や後腹膜リンパ節郭清など、大きな治療が必要になることがあります。
この記事は、そうした不幸な受診の遅れを少しでも減らしたいという思いで書いています。
精巣のしこり・腫れは泌尿器科で確認を
精巣や陰嚢に関する症状は、泌尿器科で診療します。
以下のような症状がある場合には、泌尿器科での確認をおすすめします。
・精巣が大きくなった
・陰嚢が腫れている
・精巣に硬いしこりを触れる
・左右差が気になる
・痛みはないが大きくなってきた
・重だるさがある
・陰嚢内に水がたまっているように感じる
・精巣の位置や形が以前と違う
・違和感が続いている
痛みがないから大丈夫、とは限りません。
精巣腫瘍は、痛みを伴わないしこりや腫れで見つかることがあります。
精巣腫瘍とは
精巣腫瘍は、精巣にできる腫瘍です。
若い男性から中年男性にかけて見つかることが多い病気です。
多くの場合、精巣のしこり、腫れ、硬さ、左右差などをきっかけに気づきます。
痛みがないことも多く、そのために受診が遅れることがあります。
精巣腫瘍は比較的まれな病気ですが、進行するとリンパ節や肺などに転移することがあります。
転移がある場合には、抗がん剤治療や大きな手術が必要になることがあります。
だからこそ、早めに見つけることが大切です。
「恥ずかしいから受診しにくい」は自然な気持ちです
精巣や陰嚢の症状を相談するのは、誰でも抵抗があります。
「見せるのが恥ずかしい」
「若いのに泌尿器科に行くのが恥ずかしい」
「性病と思われそうで嫌だ」
「大したことがなかったら恥ずかしい」
「家族にも相談しにくい」
このように感じるのは自然なことです。
しかし、泌尿器科では精巣や陰嚢の診察は日常的に行う診療です。
医師やスタッフは、病気を確認するために診療しています。
恥ずかしがる必要はありません。
むしろ大切なのは、恥ずかしさのために受診が遅れないことです。
痛みがないしこりこそ注意が必要です
精巣や陰嚢の病気には、痛みを伴うものもあります。
たとえば、精巣上体炎、精巣炎、精巣捻転などでは、痛みが強く出ることがあります。
一方で、精巣腫瘍は痛みが少ないことがあります。
「痛くないから大丈夫」
「普通に生活できるから様子を見る」
「だんだん大きくなっているけど、痛みはない」
このような場合でも、精巣腫瘍が隠れていることがあります。
特に、硬いしこり、精巣そのものが大きくなっている、左右差が明らかになってきた場合には、早めに泌尿器科を受診してください。
精巣腫瘍以外にも、陰嚢が腫れる病気があります
陰嚢の腫れやしこりがあるからといって、すべてが精巣腫瘍というわけではありません。
代表的な病気には、
・精巣腫瘍
・精巣上体炎
・精巣炎
・陰嚢水腫
・精索水腫
・精液瘤
・精索静脈瘤
・鼠径ヘルニア
・精索や陰嚢内の腫瘤
などがあります。
これらは、診察や超音波検査である程度見分けることができます。
自己判断で「水がたまっているだけだろう」「炎症だろう」「昔からあるから大丈夫」と決めつけないことが大切です。
泌尿器科では何をする?
精巣や陰嚢の症状で受診した場合、まず問診と診察を行います。
そのうえで、必要に応じて超音波検査を行います。
診察
精巣の大きさ、硬さ、左右差、しこりの有無、痛みの有無などを確認します。
診察は短時間で終わることが多いです。
恥ずかしさを感じる方もいますが、病気を見逃さないために必要な確認です。
超音波検査
精巣や陰嚢の評価では、超音波検査が非常に重要です。
超音波検査では、
・精巣の中に腫瘤があるか
・精巣上体が腫れているか
・水がたまっているか
・血流の状態
・精索静脈瘤の有無
・左右差
などを確認します。
痛みはほとんどなく、外来で行える検査です。
採血・腫瘍マーカー
精巣腫瘍が疑われる場合には、腫瘍マーカーを確認することがあります。
代表的なものには、
・AFP
・hCG
・LDH
などがあります。
これらは診断や病気の広がり、治療後の経過を見るうえで重要になることがあります。
画像検査
精巣腫瘍が疑われる場合や、転移の有無を確認する必要がある場合には、CTなどの画像検査が必要になることがあります。
当院で初期評価を行い、必要に応じて専門医療機関と連携します。
早く受診することで治療の負担を減らせる可能性があります
精巣腫瘍は、進行してから見つかっても治療できる可能性がある病気です。
しかし、進行してから見つかると、治療の負担は大きくなります。
転移がある場合には、抗がん剤治療、入院治療、後腹膜リンパ節郭清などが必要になることがあります。
もちろん、すべての進行例が受診の遅れだけで起こるわけではありません。
しかし、恥ずかしさや自己判断で受診が遅れることは、避けられる可能性があります。
「もっと早く来ていれば」と後悔しないために、気になる症状がある場合には早めに泌尿器科を受診してください。
若い男性こそ注意してください
精巣腫瘍は、若い男性にも起こります。
若い方ほど、
「がんなんて自分には関係ない」
「仕事や学校が忙しい」
「恥ずかしい」
「ネットで調べたら大丈夫そうだった」
と受診が遅れることがあります。
しかし、精巣にしこりや腫れがある場合には、年齢に関係なく確認が必要です。
若い方でも、遠慮せず泌尿器科を受診してください。
ネットで調べるだけでは診断できません
今はインターネットで多くの情報を調べることができます。
「精巣 しこり」
「陰嚢 腫れ」
「睾丸 痛くない しこり」
「精巣腫瘍 症状」
と検索すれば、さまざまな情報が出てきます。
情報を調べること自体は大切です。
しかし、ネットの情報だけで、自分の症状が良いものか悪いものかを判断することはできません。
精巣や陰嚢の病気は、診察と超音波検査で確認することが重要です。
調べて不安になった方も、調べて大丈夫そうと思った方も、症状があるなら泌尿器科で確認しましょう。
このような方は早めに、今すぐご相談ください
以下のような場合には、早めの受診をおすすめします。
・精巣に硬いしこりを触れる
・精巣が大きくなってきた
・痛みはないが左右差が目立つ
・陰嚢が急に腫れてきた
・違和感が続いている
・精巣が重だるい
・陰嚢の中にしこりを触れる
・若い男性で精巣の変化に気づいた
・恥ずかしくて受診を迷っている
・ネットで調べても不安が残る
当院での対応
当院では、精巣のしこり、陰嚢の腫れ、精巣の痛み、精索や陰嚢内の症状について、泌尿器科専門医が診療します。
必要に応じて、
・診察
・超音波検査
・尿検査
・採血
・腫瘍マーカー
・専門医療機関への紹介
を行います。
院長は、大学病院本院で泌尿器科診療に携わり、精巣腫瘍を含む泌尿器がんの診療経験があります。
転移を有する精巣腫瘍の患者さんの治療にも携わってきた経験から、恥ずかしさによる受診の遅れを少しでも減らしたいと考えています。
流山おおたかの森周辺で、精巣のしこり、陰嚢の腫れ、精巣の痛みが気になる方はご相談ください。
まとめ
精巣のしこりや陰嚢の腫れは、恥ずかしさから受診が遅れやすい症状です。
しかし、精巣腫瘍のように、早めに診断すべき病気が隠れていることがあります。
痛みがないから大丈夫、若いから大丈夫、ネットで調べたから大丈夫、と自己判断しないでください。
精巣のしこり、腫れ、左右差、違和感がある場合には、早めに泌尿器科で確認しましょう。
恥ずかしさで受診が遅れる患者さんを、少しでも減らしたい。
その思いで、この記事を書いています。
解説
安東 聡
リプロケアクリニックおおたかの森 院長
泌尿器科専門医・生殖医療専門医