• 2026年5月28日

健診で尿潜血を指摘されたら|血尿・尿潜血の原因と泌尿器科受診の目安を泌尿器科専門医が解説

健診や人間ドックで、
「尿潜血が陽性です」
「尿に血が混じっています」
「泌尿器科で再検査してください」
と言われて、不安になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

また、実際に尿の色が赤い、茶色い、血が混じっているように見える場合もあります。

血尿や尿潜血には、膀胱炎や尿路結石のような比較的よくみられる原因から、腎臓・尿管・膀胱・前立腺などの病気が関係する場合まで、さまざまな原因があります。

この記事では、健診で尿潜血を指摘された方、血尿が気になる方に向けて、考えられる原因、泌尿器科で行う検査、受診の目安について、泌尿器科専門医が分かりやすく解説します。

■ 血尿・尿潜血とは

血尿とは、尿の中に血液が混じっている状態です。

血尿には大きく分けて2種類あります。

目で見て分かる血尿

尿が赤い、茶色い、コーラ色に見えるなど、目で見て血が混じっていると分かる血尿です。

肉眼的血尿とも呼ばれます。

健診で分かる尿潜血

見た目には普通の尿でも、尿検査で血液成分が検出されることがあります。

これを尿潜血、または顕微鏡的血尿と呼びます。

尿潜血は自覚症状がないことも多く、健診や人間ドックで初めて指摘されることがあります。

■ 尿潜血陽性と顕微鏡的血尿は同じではありません

健診で「尿潜血陽性」と言われると、すぐに「血尿がある」と考えてしまう方も多いかもしれません。

しかし、厳密には、尿潜血陽性と顕微鏡的血尿は同じではありません。

尿潜血は、尿試験紙という簡易検査で、血液成分に反応が出ている状態です。

一方で、顕微鏡的血尿は、尿を顕微鏡で確認し、実際に赤血球が一定数以上みられる状態を指します。

つまり、

・尿潜血陽性
= 試験紙で血液成分に反応が出た状態

・顕微鏡的血尿
= 尿沈渣で赤血球が確認された状態

です。

尿潜血が陽性でも、尿沈渣で赤血球がほとんど確認されないことがあります。

この場合、厳密には顕微鏡的血尿とは言えません。

尿試験紙は便利な検査ですが、非常に敏感なため、実際の赤血球が尿中に多くない場合でも陽性になることがあります。

たとえば、

・運動後
・脱水
・濃い尿
・月経血の混入
・筋肉由来成分の影響
・溶血によるヘモグロビンの影響

などで尿潜血が陽性になることがあります。

そのため、健診で尿潜血陽性を指摘された場合、まず重要なのは、泌尿器科で尿沈渣を行い、本当に顕微鏡的血尿があるか確認することです。

尿沈渣では、尿中の赤血球、白血球、細菌、結晶、円柱などを確認します。

尿潜血陽性だけで過度に心配しすぎる必要はありませんが、逆に「健診だけだから大丈夫」と放置するのもよくありません。

まずは尿沈渣で、本当に赤血球が出ているのかを確認することが大切です。

■ 尿沈渣で何を確認するのか

尿沈渣は、尿を遠心して沈んだ成分を顕微鏡で確認する検査です。

血尿や尿潜血の評価では、まず実際に赤血球が尿中に出ているかを確認します。

尿沈渣で確認する主な項目は、

・赤血球
・白血球
・細菌
・結晶
・円柱
・上皮細胞

などです。

赤血球が多ければ、顕微鏡的血尿として評価を進めます。

白血球や細菌が多ければ、膀胱炎や尿路感染症の可能性を考えます。

結晶が目立つ場合には、尿路結石との関連を考えることがあります。

円柱や蛋白尿を伴う場合には、腎臓内科的な病気が関係することもあります。

このように、尿沈渣は単に「血があるか」を見るだけでなく、血尿の原因を考えるうえで重要な検査です。

健診で尿潜血を指摘された場合、まず尿沈渣を行うことで、

・本当に赤血球が出ているのか
・感染の所見があるのか
・結石を疑う所見があるのか
・腎臓内科的な病気を考えるべきか

を整理しやすくなります。

■ 尿潜血を指摘されたら放置してよい?

尿潜血は、必ずしも重大な病気を意味するわけではありません。

一時的な体調変化、運動、感染、結石、月経の影響などで陽性になることもあります。

しかし、尿潜血の中には、泌尿器科で確認した方がよいものもあります。

特に、

・尿潜血が繰り返し陽性になる
・目で見て分かる血尿がある
・排尿時の痛みがある
・頻尿や残尿感がある
・背中や脇腹の痛みがある
・喫煙歴がある
・中高年以降で初めて指摘された
・PSA高値や前立腺の異常を指摘されている

このような場合には、泌尿器科での評価をおすすめします。

■ 血尿・尿潜血の原因

血尿・尿潜血の原因は一つではありません。

代表的なものには以下があります。

膀胱炎・尿路感染症

排尿時の痛み、頻尿、残尿感、下腹部の違和感などを伴う場合、膀胱炎や尿路感染症が関係していることがあります。

炎症によって尿に血液が混じることがあります。

尿路結石

腎臓、尿管、膀胱などに結石があると、血尿が出ることがあります。

脇腹や背中の強い痛み、吐き気、冷や汗を伴うこともあります。

痛みがなく、尿潜血だけで見つかることもあります。

前立腺肥大症・前立腺炎

男性では、前立腺肥大症や前立腺炎が血尿や尿の症状に関係することがあります。

尿が出にくい、勢いが弱い、夜間頻尿、残尿感などを伴う場合には、前立腺の評価も必要です。

腎臓の病気

血尿の原因が腎臓そのものにある場合もあります。

蛋白尿を伴う場合や、腎機能異常、高血圧、むくみなどがある場合には、腎臓内科的な評価が必要になることもあります。

膀胱がん・腎盂尿管がん・腎がんなど

血尿で注意が必要なのは、尿路の悪性腫瘍です。

特に、痛みを伴わない肉眼的血尿は、泌尿器科で確認すべき重要な症状です。

血尿が一度だけで自然に止まった場合でも、原因がなくなったとは限りません。

「一回だけだから大丈夫」と自己判断せず、泌尿器科で相談することをおすすめします。

■ 痛みのない血尿こそ注意が必要です

血尿というと、痛みを伴うものをイメージする方もいるかもしれません。

しかし、膀胱がんなどでは、痛みのない血尿で見つかることがあります。

痛みがないから軽い、というわけではありません。

特に、

・尿が赤い
・血の塊が出た
・痛みはないが血尿が出た
・血尿が出たり止まったりする

という場合には、早めに泌尿器科を受診しましょう。

■ 泌尿器科ではどんな検査をする?

血尿や尿潜血で受診した場合、症状や年齢、リスクに応じて検査を行います。

尿検査

尿の中に血液、白血球、細菌、蛋白などがあるかを確認します。

膀胱炎や尿路感染症、腎臓の病気を考えるうえで重要です。

尿沈渣

尿を顕微鏡で確認し、赤血球や白血球、細菌などの状態を調べます。

尿潜血が本当に血尿かどうかを確認するために役立ちます。

尿培養検査

感染が疑われる場合、原因菌や抗菌薬の効きやすさを確認するために行います。

超音波検査

腎臓、膀胱、前立腺などを確認します。

結石、水腎症、腫瘤、残尿量などを評価するために有用です。

尿細胞診

尿中に悪性を疑う細胞がないかを調べる検査です。

血尿の状況やリスクに応じて行うことがあります。

膀胱鏡検査

膀胱内を直接確認する検査です。

血尿の原因を調べるうえで重要な検査ですが、すべての方に最初から必要というわけではありません。

年齢、血尿の程度、リスク、症状などを踏まえて判断します。外来では柔らかい膀胱ファイバーを使いますので、痛みは最小限に抑えることが可能です。

CT・MRIなどの画像検査

尿路結石、腫瘍、上部尿路の病気などが疑われる場合には、CTやMRIなどの画像検査が必要になることがあります。

当院で対応できる検査を行い、必要に応じて連携医療機関へご紹介します。

■ 健診で尿潜血だけを指摘された場合

健診で尿潜血だけを指摘され、症状がない場合でも、一度確認しておくことは大切です。

特に、

・複数回尿潜血が陽性
・40歳以上
・喫煙歴がある
・血尿の既往がある
・排尿症状がある
・尿蛋白や腎機能異常もある

このような場合には、泌尿器科での評価をおすすめします。

尿潜血は一度の検査だけでは判断が難しいこともあります。

再検査で陰性になることもありますが、繰り返し陽性になる場合には原因を確認する必要があります。

■ すぐに受診した方がよい血尿

以下の場合には、早めの受診をおすすめします。

・目で見て分かる血尿がある
・血の塊が出る
・血尿と一緒に発熱がある
・背中や脇腹の強い痛みがある
・排尿時痛や強い頻尿がある
・尿が出にくい、出ない
・血尿を繰り返す
・痛みがないのに血尿が出る

強い痛みや発熱、尿が出ない場合には、緊急性が高いこともあります。疲れで肉眼的血尿が出ることはありません。肉眼的血尿の原因を疲れと思わず、すぐに泌尿器科を受診しましょう。

■ 当院での対応

当院では、血尿・尿潜血に対して、尿検査、尿沈渣、超音波検査、膀胱鏡検査などを行い、原因を確認します。

膀胱炎、尿路感染症、尿路結石、前立腺肥大症、前立腺炎など、一般泌尿器科疾患にも対応しています。

また、膀胱がん、腎がん、前立腺がんなどの可能性がある場合には、必要に応じて専門医療機関と連携して検査・治療につなげます。

当院は男性不妊・メンズヘルスだけでなく、血尿、頻尿、排尿時痛、PSA高値、前立腺肥大症など、一般泌尿器科疾患も診療しています。

流山おおたかの森周辺で、健診の尿潜血、血尿、尿の症状が気になる方はご相談ください。

■ まとめ

血尿・尿潜血には、膀胱炎や尿路結石などのよくある原因から、膀胱がんや腎臓の病気など注意が必要な原因まで、さまざまな可能性があります。

特に、目で見て分かる血尿、痛みのない血尿、繰り返す尿潜血は、泌尿器科で確認することが大切です。

健診で尿潜血を指摘された方、血尿が出た方、尿の色が気になる方は、自己判断で放置せず、一度ご相談ください。

解説:安東 聡
リプロケアクリニックおおたかの森 院長
泌尿器科専門医・生殖医療専門医

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