- 2026年4月13日
- 2026年4月18日
発熱の原因は?風邪・インフルだけじゃない|泌尿器科の病気も含めて医師が解説
「熱が出た。風邪かな…?」
多くの方がまずそう考えます。
もちろん間違いではありません。
ただ、外来をしていると感じるのは――
「発熱の原因は、想像以上に幅広い」ということです。
そして中には、
放置すると悪化する“見逃してはいけない発熱”もあります。
この記事では、よくある感染症に加えて、
泌尿器科で実際に経験する発熱の原因についても、できるだけわかりやすくお話しします。
■ 発熱=風邪だけではない
発熱の原因としてまず思い浮かぶのは、
- 風邪
- インフルエンザ
- 新型コロナウイルス感染症
でしょう。
確かにこれらは非常に多いです。
ただし、実際の診療ではそれ以外にも、
- 細菌感染
- 臓器の炎症
- 腫瘍
- 原因不明(不明熱)
など、さまざまな背景があります。
ここで一つ大事な視点があります。
👉 「どの臓器が原因か」を考えること
その中で、意外と見落とされやすいのが
泌尿器(腎臓・前立腺・精巣など)由来の発熱です。
■ 泌尿器科の病気でも発熱は起こります
「泌尿器科って熱と関係あるの?」
そう思われる方も多いのですが、実はかなり関係があります。
■ 腎盂腎炎(じんうじんえん)
腎臓の感染症です。
- 高熱(38〜40℃)
- 寒気・震え(悪寒戦慄)
- 背中の痛み
が特徴です。
👉 風邪と違って
「ぐったりして動けない」レベルになることも多い
放置すると敗血症に進むこともあり、
早期治療がとても重要です。
■ 前立腺炎(ぜんりつせんえん)
男性特有の疾患です。
- 発熱
- 排尿時の違和感
- 会陰部の痛み
👉 特徴的なのは
「排尿症状+発熱」
これが揃うとかなり疑います。
重症例では入院が必要になることもあります。
■ 精巣上体炎(せいそうじょうたいえん)
陰嚢の後ろにある「精巣上体」の炎症です。
- 発熱
- 陰嚢の腫れ・痛み
👉 見逃されやすいですが
痛み+熱があれば要注意
若年〜中年男性では比較的よく見ます。
■ 腫瘍でも熱が出ることがあります(腫瘍熱)
あまり知られていませんが、
👉 がん(腫瘍)によって発熱することがあります
これを「腫瘍熱」といいます。
特徴としては
- 原因不明の発熱が続く
- 抗菌薬が効かない
- 検査してもはっきりしない
といった経過をたどることがあります。
頻度は高くありませんが、
「説明のつかない発熱」が続く場合には考える必要があります。
■ 不明熱という考え方
検査をしても原因がはっきりしない発熱を
👉 不明熱(FUO:Fever of Unknown Origin)と呼びます。
代表的な原因は
- 感染症
- 膠原病
- 悪性腫瘍
など。
👉 つまり
「風邪じゃないけど、何かわからない」
この状態をそのままにしないことが大切です。
■ こんな症状があれば受診をおすすめします
もし次のような症状があれば、早めの受診を考えてください。
- 38℃以上の発熱が続く
- 強いだるさ・動けない
- 排尿時の痛み・違和感
- 血尿がある
- 陰嚢の痛み・腫れ
- 背中(腰)の痛み
👉 特に
「発熱+泌尿器症状」
がある場合は、泌尿器科的な原因の可能性があります。
■ 最後に
発熱は誰にでも起こる症状ですが、
その背景は決して一つではありません。
「いつもの風邪だろう」と思っていた中に、
治療が必要な病気が隠れていることもあります。
少しでも違和感があれば、無理に様子を見るのではなく、
一度きちんと評価を受けてみることをおすすめします。
当院では、一般的な発熱疾患に加えて、
泌尿器科領域の感染症や炎症についても対応しています。
気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。